ピラティスが変えてくれた私の人生
幼い頃より虚弱体質で運動も好きではなかった私は、中学生の時に交通事故に遭いました。
徒歩で登校中に後ろから車にはねられたのです。
奇跡的に大きな怪我をすることはなかったのですが、14歳という成長期に全身の鞭打ち症を患うこととなり、その後長じるにつれてどんどん後遺症が出てきてしまうのでした。
高校生の頃には自覚症状が出てきました。17歳なのにほぼ毎日寝違いで首が痛くなり、肩こり、腰痛、倦怠感と異常なまでの眠気の日々。当時はそれが交通事故の後遺症ということがわからず、その様々な症状に当てはまる病院に行ったものの、どこに行っても「原因不明」と言われるばかり。でも自分としてはとても10代の高校生とは思えない体調不良の毎日でした。その後なんとか大学生になりましたが、それも保健室を頼りながらの生活。就職した頃にはもはや普通の人の生活は送れなくなっており、フルタイムで働くことも難しく体調不良による退職・転職の繰り返しでした。
そして25歳のとき自分の体調によく合う整体に出会います。おかげで普通の勤務時間にフルタイムで働けるようにはなりましたが、当時治療師の方に言われたのは、「20代なのに70歳代のような体だね」でした。何年も通院する中少し良くなったものの、まだまだなかなか良くならず、背中の筋肉が傷んでいるために重いものを持つことが全くできない生活。結婚はしましたが、子育てはとてもできる状態になかったため、子供を持つことも諦めざるを得ませんでした。
その後、食べ物による体質改善をはかったり、ヨガや骨盤体操など、いろいろな運動を模索していた中で、なんとなく通い始めたピラティスが私の体調を大きく変えることになります。
ピラティスの動きは大きなものではないため、始めは本当になんとなく、いつもの模索の一つ、という感じでしたが、1ヶ月、3ヶ月、1年、3年と続けているうちに、ある時、あれほど長年悩まされていた体調不良の症状の数々を感じにくくなっている自分がいることに気づきました。それも徐々に変化していったので、自分でも無意識のうちに良くなっていたのです。今では20代の頃の体調不良が思い出せないくらいまで元気になりました。
ピラティスを始めて5年が経った時、ここまで変化を遂げた私だからこそ、このピラティスをたくさんの方に知っていただき、他の方も健康になられるご縁になりたい、と思い始めます。今度は自分がインストラクターとなってピラティスをお伝えしよう、と決意したのでした。
ピラティスのインストラクターの資格は民間資格であり、様々な団体があるためどこで勉強するか迷いましたが、どうせならピラティスの本場であるニューヨークできちんと勉強したい、と志し、短期留学の末、数ある団体の中でも試験が厳しいことで知られるピラティス・アカデミー・インターナショナルのマットピラティス国際資格を取得することができたのでした。
あのままもしピラティスに出会っていなければ・・・今頃はどうなっていたのか、今後の私の老化はどうなってしまうところだったのか、と思わずにはいられません。
事故に遭ったからこうなってしまった、と自分の人生を諦めの中で生きるしかなかったでしょう。それを変えてくれたピラティス。
日本では、特にこの三重県ではヨガほど知られていませんが、ピラティス自体もともとは傷病兵のリハビリから体系化された運動であり、昨今注目されている体幹トレーニングです。運動が好きで得意な人だけでなく、苦手な人にとっても日常生活で大切な体幹を鍛えられることで、私のように思うようには動けなかったところから、他人から姿勢の良さを褒められるほどにまで健康にしてくれます。
そして、もともと運動から縁遠く、しかも若くして後遺症に苦しむことになった私だからこそ、一般の方々が感じておられる年齢による体力の低下や、運動に対する苦手意識などに近い立場で共に頑張っていけるのではないかと思っております。ぜひ、ピラティスでマイナス5歳肌ならぬ、マイナス10歳もしくはマイナス20歳体力を手に入れてみませんか。ピラティスは続けることで効果が感じられる運動ですので、ジョセフ・ピラティスの言葉の通り、「10回で気分が良くなり、20回で見た目が変わり、30回で身体のすべてが変わる」をみなさんに体感していただけたら嬉しいです。